2023年04月28日
こんにちは。
先日の記事では「刺身包丁(柳刃包丁)」の種類、違いについてお伝えいたしました。
今回は出刃編。メーカー、鍛冶師ごとにその呼び名は違いますが、その詳細をお伝えさせていただきます。
名前の由来は出刃包丁を開発した堺の鍛冶職人が出っ歯(でば)の職人だったからだと言われております。
簡単に言うと「魚をおろす」包丁です。
細かい用途としては三枚におろすだけでなく、骨を断ち切ったり、時には魚の頭を真っ二つに割る事(かぶと割り)をするために最適化された包丁になります。
そのため刃は重く厚い形状をしており、堅牢な骨にも負けないほどの刀身を持っております。
板前さんの中では柳刃包丁に次ぎ購入必須の包丁と言っても過言ではありません。
この包丁がないと仕事ができないほどですね。
↑高鳳 出刃包丁 六寸半 195mm 本焼 平・峰鏡面 水牛黒塗半丸六角柄 白鞘・箱付
「出刃包丁」とはジャンルを表す言葉でもあります。
包丁のサイズ、目的が変わるとその名称も微妙に変わってきます。
鍛冶師、メーカーによって呼び方は異なりますが、下記にて紹介させていただきます。
↑高鳳 出刃包丁 七寸半 霞 水牛朴八角柄 白鞘・箱付
これぞスタンダード。
いわゆる一般的な出刃包丁として呼ばれるにはおおよそ刃渡りが「150~240mm」のものになります。
それではなぜ、こんなにも刃渡りが違う出刃包丁があるのか。
答えは魚のサイズにあります。おろす魚のサイズが異なれば、使用する出刃の刃渡りが変わってきます。
魚の種類は果てしなく存在しており、そのニーズに応えるため刃渡りが違う出刃包丁が求められるようになっております。
↑國行 相出刃包丁 五寸 153mm 霞 青鋼 鏡面 水牛朴八角柄
出刃包丁より身幅を細く、刃厚を薄くしたものになります。
取り回しが良く、普通の出刃包丁よりこちらを愛用されている方も多くいらっしゃいます。
疲れにくいのでいろいろな魚を捌く方にはおすすめです。
↑子の日 楓 身卸包丁 八寸 霞 ハイカーボン特殊鋼 水牛朴八角柄 子の日印白鞘付
※リンク内では「相出刃」とありますが、おそらくこれは「身卸」になります。
相出刃の身幅を細く、刃厚を薄くしたものになります。
名前の通り「身卸」専用に作られているため、骨を断つと刃こぼれをおこしやすい設計になっています。
[出刃→相出刃→身卸→柳出刃]の順に身幅が細く、刃厚が薄くなります。
四寸ほどの小ぶりな出刃包丁は「あじ切り」「小出刃」と呼びます。
名の通り「鯵」を捌くのにうってつけの包丁です。
また小肌を捌く際にも頻繁に使用します。
小さな魚を扱う仕事には必須の出刃包丁です。1本懐に忍ばせておくと、いざというときに役に立ちます。
他にも鮭専用の大きな出刃包丁もあったり、鶏を捌くための出刃包丁もあったり…
出刃包丁の世界は非常に奥深いですね。
当店は包丁買取販売の専門店です。
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